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AZAMI

未来の地図が見えないでいる。

7月6日夜

被災地到着

7月7日~9日

被災地での慰霊

テレビでは見ていたけれど、現場を目にし、あまりの被害の大きさに
言葉をなくす。

これから三日間、私たちは被災地にむけての、祈りと歌を通して
みなさんに少しでも心安らぐ時間を過ごしていただけたらと、、、

いろんな方々に支えられての訪問、家を亡くし、大切な人たちを亡くした
多くの人たちが、一つの屋根の下に集まり、私たちを待っていてくれた。

私にできることは、ただただ一生懸命歌うこと。

言葉もいらない、みんなが必要としていることは、心と心の触れ合い。
人の温かさや、手のぬくもり。

一人一人のお話を聞いてさしあげ、優しく抱きしめてあげること。

中には、笑う事さえ忘れかけていた人もいた

でも笑ってほしい、嫌でも明日は訪れるのだから

あれから、1年半年がすぎ、町並みは少しずつ復興されたように見えるが
家をなくした人たちの暮らしはいまだに苦しい状況が続いている。

がれきはまだ残されたままで、放置され、住めるような状況ではなく
ぽかりと空洞のあいたままの、建物が並んでいた。

最初に訪れた場所、テレビでよく報道されていた場所
あまりの悲惨さに目を閉じたくなるほどだった

まだ昨日のような、出来事

苦しかったに違いない、怖かったにちがいない

魂の叫びが聞こえてきそうだった

私は一つ一つの場所を目をそらすことなく歩き続けた

そして、魂からの祈りを捧げ、アカペラで屋久島の子守り唄を
届けさせていただきました。

多くの人たちに、知ってほしい、そしてしっかりと見つめて欲しい

いつ、私たちにおこりうるかもしれない出来事

がれきのままの土地はどんどん高くなり、アパートも見つからず、借家も高額な値段に上がり
ますます行き場を失ってしまっている現状。

こんなときだからこそ、町や人の復興に向けていかなくてはならない
大切な時なのに、許せない気持ちでいっぱいになる。

弱い立場にいる人たちを、なぜここまで苦しめるのか。

日本は何も変わらない、いま、ここで変わらなくてはいけない重要な時なのに。

それでもここの昔から住む人は、この町がいんだーという。

涙があふれた

陸前高田の被災の場所を訪れる

時計の針は、15時30分をさしていた。

建物の入り口には、たくさんの花と遺品などが飾られていた、

祈りを捧げ、更に奥のほうに進んでいくと、無惨にも波でたたきつけられた車や、布団、椅子や、がれき
子供たちの遊んだおもちゃなど、全てを土が飲み込んだ状態でいた。

体験もしていない私に恐怖がおとずれた。

自然の偉大なる力にそぎおとされそうになる。

多くの人たちがこの場所で命を亡くした。
自然もまた。私たちに悲鳴の声をなげかけている。

海の塩で木は枯れ果て、岩も砕かれ、ゴウ-ゴウーと恐ろしい音をたてて風をおこす

未来の地図が見えないでいる
一人一人の道に光が、道が訪れるのはいつになるのだろうか

被害者という意識をなくし、立ち上がる強さと、新しい道を信じる力を
いま必要としている

私にできることは、一人でも多くの被災地の人たちと触れ合い
歌を通して、愛と祈りを伝えること

たちにできること

貴方にできること

君にできること

すぐそばにあるから



未来の地図が見えないでいる。_d0100504_17381553.jpg

大下大圓さんの祈り
小笠原さんの祈り
小国さんの祈り
大場さんの祈り
AZAMIの祈り
仲間達の祈り
心あるすべての人の祈り
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おじいちゃん
船のうえから、私たちは祈りをささげました

船に乗ったおじいちゃんは、陽に焼けてとっても笑顔の似合うおじいちゃん

船を走らせ私たちは海上のほうから、祈りを捧げました

おじいちゃんは、大好きだった息子のたばこを手にし
あいつが好きだったタバコなんだ~と

そして、タバコに火をともし、ばかなやつだ~といいながら
笑ってそのタバコを海に流した

タバコは波に乗り、きっと息子さんがよろこんで吸ってくれたに違いない

大好きだったお酒を、一升瓶を抱えながら、どくどくどくどくと海に流れていく

たくさんの人たちが亡くなったこの海、人の命は雫となり

海に帰り、また、新たなる命を産む

いつか私たちもそうやって輪廻を続け

また、いつか逢おうねと約束をしながら

星になり、光になり、花になり、草になり

おじいさんは、また笑う

海が好きなんだよな~

海はいいな~

新しい船を作るんだ~

そして、また海に出るんだ

笑顔をずっと忘れないおじいちゃん達

私は何か大切なことを失いかけようとしていた

そしておじいちゃんが教えてくれた

大切なこと

生かされているこの命を大切にしながら

一歩一歩と前に進み、笑顔を忘れずに

太陽のように明るく

人々の心を照らしてくれる

苦しみも、悲しみも、深く深く傷つき

まだ消え去らぬ今であろうとも、おじいちゃんは、前を向いて息子に語りかけていた

海に語りかけていた

そして、また、笑顔で私たちに語りかけてくれた

また、ここに来てください

また、お会いしましょう

私の故郷がまたここにある

多くの犠牲者をうんだ、東日本大震災

いまみんなが求めているのは、心に届く人のあたたかさと笑顔

同じ目で、同じ想いで受けとめてくれる人のこころ

光をもとめ、手のぬくもりをもとめ

そんな毎日を、いまはみんながもとめていた

私も笑顔を届けられる、一つの光になりたい

そう願った
by azani-blog | 2012-07-12 17:34